ゴトウユキコ『家庭教師』

教えてもらうということ



基本情報

ゴトウユキコ『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社 表紙
引用元:ゴトウユキコ『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社

著者 ゴトウユキコ

短編 『家庭教師』2022年 週刊ビッグコミックスピリッツ

書籍 『天国 ゴトウユキコ短編集』紙:2023年 双葉社 / 電子:同年 同社

冒頭

夏休み、家庭教師である男性の大学院生に勉強を教わっている中3の主人公・研一

研一は母と二人暮らしで、家庭教師の先生を含む3人で食事するなど関係も良好

ある日、先生との勉強の時間になっても研一が現れず——

感想|グッとくるコマ【序盤より】

ゴトウユキコ『家庭教師』の1コマ 家庭教師に教わる
引用元:ゴトウユキコ『家庭教師』-『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社より

家庭教師に教わる

 

家庭教師のシステムとか役割とかもちろん分かっている……つもりです

こちらの短編漫画(文字通り)『家庭教師』をはじめ、フィクションに割と登場しますからね

 

しかし、実生活で個人的にお世話になったことがなく、同級生からも家庭教師に勉強を教えてもらっているという話を聞いたことがないため、私にとって家庭教師という存在はどことなく都市伝説のように感じられます

奇しくも都市伝説と表現しましたが、都会では家庭教師を雇うのはそれなりによくある話なのでしょうか

私は田舎出身なので

 

原作は本間洋平氏による小説で、監督・森田芳光氏によって映画化された『家族ゲーム』も主演・松田優作氏扮する吉本が家庭教師だったはず

1983年公開と割と古い映画ですが、私の家庭教師へのイメージはこれに強い影響を受けています

 

このように場所あるいは時間を隔てた文化が交流するのも芸術の長所ですよね

伝統芸能は(申し訳ないが正直)堅っ苦しさもあって特に若い方には敬遠されがちかもしれませんが、漫画だったら手軽にスッと入ってくる

ゴトウユキコ『家庭教師』の1コマ 先生はまずは助教授を志望している
引用元:ゴトウユキコ『家庭教師』-『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社より

先生はまずは助教授を志望している

 

調べてみたら、助教授という役職は2007年に准教授という名称に移行したそうです

ということは、こちらの短編漫画『家庭教師』の時代設定は2007年以前となる

確かに作中でスマホスカイツリーは登場していない

——という考察(みたいなもの)をするのが結構楽しかったりする

より深く作品について理解したということですからね

 

カラオケで音楽と一緒に映像も流れますが、あの映像には携帯電話(スマホ)があまり登場しないという話を聞きました

なぜなら携帯電話(スマホ)は日進月歩で新しい型が登場するため、ちょっと時間が経っただけで視聴者に古臭さを感じさせてしまうから

改めて考えてみれば(携帯するものに限らず)電話という機械は短い期間で目まぐるしくを変えてきた

カラオケに行く機会があれば注目してみてください

 

このような時代の引っ掛かりとでも表現しましょうか、(そういう時代もあったよね)が嫌いではなかったりします

早い話がノスタルジーですね

昭和レトロも流行っていますし、割と多くの方が好きだったりするかも

時間をひとっ飛びするのは芸術の強さであり役割でもあると私は思います

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