偉大なる時間の価値——
基本情報
著者 藤子・F・不二雄
短編 『未来ドロボウ』1977年 週刊少年サンデー
書籍 『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス 8 流血鬼』紙:2023年 小学館 / 電子:同年 同社
冒頭
名門高校、一流大学へ進み、それから成功者になりたい中学生・学
だから野球の誘いも断り熱心に勉強に取り組んでいる
しかし、父がクビになり高校進学を断念するよう言われ——
感想|グッとくるコマ〈序盤より〉
成功者になりたい(主人公:右)
哲学——もっと厳密には人生哲学——の話ですね
人生は成功者になるために存在するのではない
成功にしか価値がないというのは、10代のころにありがちな、視野の狭まったことで生じた青臭い思想だよ
——と説教するのは簡単かもしれませんが、それでも成功者になりたいし、学校にせよ資本主義にせよ尻を叩いてきます
ご存じの通り、藤子・F・不二雄氏は子ども向け(こう書くと語弊があるかもしれませんが、手っ取り早く)の『ドラえもん』も描かれています
やはりこちらの短編漫画『未来ドロボウ』も読者として子どもを想定し、大事なメッセージを伝えようと努めておられるのかもしれない
豪邸
同感していただければ嬉しいのですが、私はフィクションに登場する豪邸が好きです
いや、まあ現実でも好きなのですが
なんと言いますか、やはりお金がかかっていますから、つくりが凝っていて見応えがありますし、そもそもが希少です
フィクション上の話に戻しますと、豪邸が登場するということは金持ちが登場する前振りになっているということ
そして金持ちには当たり前ですが金がありますので、大掛かりな事業を手掛けるのと同じように、物語をも大胆に動かす力がある
同感していただけましたか?
中学生・学は野球が得意
キャラクターを説明するのに〜が苦手を示すパターンと、逆に〜が得意を示すパターンがありますよね
こちらのコマでは、主人公の中学生・学は野球が得意で友人から引っ張りだこであることが描写されています
私が狭量だからかもしれませんが、〜が得意とばかり説明されると、たまに鼻につくことがあります
最近そういう傾向のライトノベルが多いという嘆きも聞いたことがあります
(本当かな?)
しかし、こちらの短編漫画『未来ドロボウ』では、それがちょうどいい塩梅で、ストーリーにおける重要な前振りとしてしっかり機能しています
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